一番 審査 ゆるい

母よ、いまさらジローだよ

70歳近くになる母は先日、
「ねぇ、聞いて〜〜わたしって腎臓が1個しかないみたいなの〜〜」と、
久しぶりに集まった家族の前で言った。

その長い人生の中で、ケガや病気・出産もあっただろうに、
なぜだ?なぜいまさら、その一大事に気づいたのか。

驚いた私は母に問いただす
「えっ?出産前とかエコーでお腹を見た時に気づかなかったの?」

母は笑いながら言う、
「バッカねぇ 昭和の時代にエコーなんてないわよ〜〜こないだ初めてやったわぁ」

絶句。

その他、ケガといっても足や手の骨折などで、
腹部をレントゲンやエコーなどはしない。
病気は?

「あらあんた、わたし病気知らずなのよ。ルンっ」

陽気すぎる。。

腎臓が1つですね、なんて私が医者に言われたら、
えらいこっちゃ一大事だ!と読んでも読解不能な医学書を読みあさり、
知っていそうな友人を捕まえては医学の質問攻めにするだろう。
自ら食事制限もかけるだろう。

母はまったく何事もなかったかのように、
いつも通り塩分高めの食事をし、たんぱく質たっぷりのステーキを食べる。

怖いもの知らず。

そして同席していた親戚が言う、
「ま、腎臓って2つあって、家族に臓器移植とかで1つ提供する人もいるしね」

「そうでしょ〜〜大丈夫〜。お医者さんも何も言ってなかったし」ケラケラケラ。

前向きでよろしい。
しかし、医者が何も言っていなかったは語弊だろう。
おそらく母が医者の話を聞いていなかっただけだろう。。

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